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鳥派代表
「ピピちゃーん、ご飯ですよー。」
東京在住、佐藤つるのはペットであるインコのピピちゃんに餌をあげていた。御年80歳の彼女だが、都内の一等地で鳥たちの楽園を築き上げて幸せに暮らしている。そう、彼女こそ、鳥部門の代表のモフリストである。
「ばあちゃっ!とどけものっ!」
郵便受けの近くで止まっている九官鳥がつるのを呼ぶ。高齢のつるのが生活する上で鳥たちには役割が与えられている。九官鳥のモモは配達が来たことを伝える係りであった。
「はいよー。モモちゃんいい子だねぇ。・・・おや、犬四郎ちゃんからかい。クー太郎はどこにおるー?」
「クックックッ・・・・・。」
老眼鏡をぶら下げた孔雀がつるのの元へ歩いてくる。
「はい、ありがとさん。・・・会議ねぇ。こんな年寄りに遠出をしろってのかい。足腰が丈夫でなきゃ、クレーム入れてるとこだね、全く。ポール、恵介に電話しとくれ!」
電話機の近くでうつらうつらしていた梟が慌てて受話器を持ち上げる。
「もしもし、恵介かい?2日後にちょっと車を出しとくれ。・・・神戸までお願いね。それと、時ちゃんをうちに派遣しとくれ。しばらく留守にするからねぇ。頼んだよ。・・・それじゃあ。」
つるのが電話を切ると、ゴロゴロとキャリーケースを引きずってミミズクが2羽飛んできた。
「ミク、クミ、ありがとさん。さて、旅の準備をしなきゃねぇ。」
つるのはため息をついた。
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