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 説明会を終えると、寺田は開店した食堂で飯を食べ、共同浴場で入浴しようとして5階でバスタオルなどを持って下りてきてから、シャンプーや石鹸、身体を洗うためのタオルなどを買ってなかったことに気が付いた。自らの手際の悪さに嫌気が差したが、浴場には鍵付きのロッカーがあったので、寺田は其処に自分のバスタオルを置いて施錠した後、シャンプーや石鹸などを買うために寮を出た。  今度は女の子とすれ違うことは無かった。  寺田が行ったのは、会社の出入口から白鵬寮に来るまでに見掛けたドラッグストア。寺田は買い物をしている時も女性客の中から先ほどすれ違った茶髪のショートカットの女の子を探した。しかし彼女の姿は無い。生身の女達はブスばかり。可愛くて美しい女性達は、ぶら下げられたポスターやパネルの中で商品をアピールしていた。  お風呂セットを用意した寺田は共同浴場に戻り、入浴を済ませた。銭湯に居る感覚と大差無い。初めてこの上三川町に来た時は時間がゆっくり流れていると思ったが、成宮と別れて一人で行動しているとすぐに過ぎ去った。  自室に戻った頃には窓の外は真っ暗になっていた。寺田はサッシとカーテンを閉めた。  誰も居ない自室に座り、寮管からシーツを受け取っていた寺田は布団に巻きながら、これから待ち受けている孤独を意識した。 (だから成宮はあんなにお喋りだったんだな)  喋る機会を得たら多弁になっている自分を想像するのは難くない。寺田は誰かと喋りたい奴に出会ったら相手を慮って話を聴いてやろうと考えながら、消灯して床に就いた。  防ダニ用のシートを買い忘れていた。
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