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「世の中の言葉なんて大抵、言葉にする前に実体があるものなんだ。『士農工商』って聞いたことあるでしょ? 昔、小学校の図書室に置かれていた漫画『日本の歴史』の表紙にも江戸時代前期を指して『士農工商』と銘打たれていた。でも江戸時代を正確に分析すれば、『士農工商制度』と云う明確な身分制度が在ったわけじゃないんだ。勿論、同和問題とかその辺は在るけど、教科書で書かれているより明文化も制度化もされてなくて、もっといい加減なものなんだよ。そもそも『士農工商』って紀元前1000年の中国の発想だから、日本のモノじゃないしね。じゃあ、どうして江戸時代の身分制度を表す言葉として使われたのか。1つは、やっぱり江戸幕府を倒して成立した明治政府の存在が大きいよね。自分達が新しく政権を樹立したら、以前の政権がやっていたことを肯定するなんて出来ないよ。自民党が民主党政権時代を批難したり、民主党が自民党政権を批難したりするのと一緒さ。だから『四民平等』と明治政府は銘打ったわけだ。江戸時代は糞みたいな時代だったけど、俺達が新しく政府立てたんだから昔よりも良くなったぞ! ってアピールしないとね。そういう時に昔の政権って新しい政権に否定される運命に在るから、『四民平等』に対して『士農工商』って言葉を当てはめたんだよ。負けた奴は勝った奴から、無いことまで自分がやったことにされる。ドイツがそうでしょ? 戦争に負けて本当はソ連がやった虐殺まで自分達がやったことにされたり、600万人のユダヤ人を殺したと非難されたけど、後年研究が進んだら物理的に600万人殺すのは不可能だと判明して死者数を公表出来なくなったり、そんなことは世界中に腐るほど例がある。従軍慰安婦もそうだし、南京大虐殺の犠牲者は毎年増えているから、当時南京に居た人口を超えている。あの論争には参加しちゃいけないよ。真面で中立に分析しようって人が一番叩かれるからね。『コロンブスと平らな地球』の話もそう。コロンブスの頃にはキリスト教会だって地球は丸いと知っていた。コロンブスを偉大だと思わせるために、航行に反対していた教会に濡れ衣を着せたんだ。そんなことが出来たのは教会が進化論論争でダーウィンに負けたからさ。負けた者は周りから嘘まで公認されて否定されるんだ」
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