0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だよな。いつでも好きな時にエッチできるんだからな。しかもこんな巨乳の彼女と……」
「いやらしい言い方するなっ!」龍が言った。
「わりいわりい」
「俺たちが、このことを秘密にする代わりに、」たけしが龍に顔を近づけて言った。
「な、何だよ」
「おまえと真雪さんが今夜何をしたか、来週詳しく聞かせろ」
「なっ!」
「さもないと、」ひろしも言った。「俺たち、クラスで言いふらしちまうぞ。何もかも。卒業記念に」
「お、おまえらっ!」龍はまた焦りながら真っ赤になっていた。
「俺たち三人の秘密。そうだろ? 龍」たけしが龍の肩を笑いながら軽く叩いて立ち上がった。「よし、ひろし、帰るぞ。これ、いただき」そしてスルメを口にくわえた。
「そうだな」ひろしも雑誌を手に立ち上がった。「むなしいなー、俺たち、まだこんなんでヌくしかねーんだからな」そしてじっとその表紙を見つめた。
ふっとため息をついてたけしが言った。「だよな」そしてにこにこしながら真雪を見た。「お邪魔しました、真雪さん」
ひろしも笑顔で言った。「龍とごゆっくり」
「また来てね、二人とも」
真雪と龍は玄関先で二人を見送った。
「ごめんね、二人とも、気を遣わせちゃって」真雪が言った。
「なかなか有意義で、刺激的で、楽しくて爽やかなひとときだったな、ひろし」
「だな」ひろしは龍に顔を向けた。「じゃあな、龍、楽しみにしてっから」
「今夜は特に濃厚にな」
「とっとと帰れっ!」龍は叫んだ。
たけしとひろしは笑いながら自転車にまたがって颯爽と走り去っていった。
2013,1,30初稿発表 2013,7,28改訂
※本作品の著作権はS.Simpsonにあります。無断での転載、転用、複製を固く禁止します。
最初のコメントを投稿しよう!