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「無駄に大声出してやがるし……」たけしも静かに言った。
「そう言えば、この部屋、女のコっぽい匂いがすんな。何つーか、チョコレートみたいな甘い……。そう思わねえか? たけし」
「うん。俺もそう思ってた。少なくとも男の部屋の匂いじゃない」
「龍……純情で、奥手なやつだと思ってたが……」憐れむような目でひろしが龍を見た。「おまえもただのエロ男子中学生だったか……」
「誰だ? 龍、白状しろっ!」たけしが叫んだ。
龍はだらだらと冷や汗をかき始めた。
「麗子、奈津実、亜紀、」たけしは指を折りながらつぶやいた。「水泳部で巨乳っつったら、この三人」
「おまえ、あいつらの水着姿に熱い視線、送ってたんだな? ってか、このうちの誰かとつき合ってんだろ?」
「違うね」
「おっと、即答」
「しかも自信たっぷり」
「もういいだろ! おとなしくその雑誌見てろよ。俺のことなんかほっといてくれ」
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