第5章 俺なんてそんなモノだよ

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早まらないで下さい、課長! 結婚している人と、よりを戻すなんて、ダメです! ビルを出て、ダッシュで走り出したその時、直ぐ目の前のカフェで、課長とさっきの女性が、コーヒーを飲んでいるところを見かけた。 2、3歩、後戻りして、カフェの中に中腰で入った。 「お一人様ですか?」 「しー!」 ウェイトレスさんは、”はぁ”と返事をして、直ぐ行ってしまった。 私はこっそりと、課長の後ろの席に座った。 「子供、元気?何歳だっけ?」 「7歳と4歳よ。上の子なんて、もう小学生。」 よしよし。 二人の会話は、聞こえる。 私は更に、耳を傾けた。 「あの由麻が、2児の母なんてな。世の中、どうなるか分からないよ。」 「あなたもね。」 二人の間に、沈黙が流れた。
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