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「ぴーちゃん、大丈夫?」
「・・・死にそう」
「でも喜んでたね。野川さん。ぴーちゃんのお陰でまた、これからの人生頑張るって言ってたね」
「うん。良かったよほんとに。奥様もこれで安心して仏様の元へ行けるよ。陽色こそありがとうね。陽色が居たから、わたしできたと思うんだ。安心して“おはなし“できたと思うんだ。それに今もこうしておぶってくれてありがとう」
「いやいや別にいいって」
あの後、お二人と“おはなし“して言葉通り体中の力が抜けてしまった。今は陽色におぶられて約束の甘味を食べに町へ向かっている途中だ。
陽色は見た感じはスラッとしているが、実際はきちんと筋肉がついていて、わたしを抱えながら軽い足取りで歩けるほど力持ちなことに大変驚いた。いつも猫みたいにゴロゴロしているところしか見たことがなかったから尚更だと思う。
と、そんなことを考えていたら陽色はとても失礼な発言をしてきた。
「あ、でもぴーちゃんって絶対にもう少し体にお肉つけた方がいいと思うよ。身長もなんだけど軽すぎて、うちの近くの子どもたち抱えてる気分なんだよね~。だからさ、もう少したくさん食べて縦にも横にも成長した方がいいと思うんだ」
「...別にいいもん。身長低くても陽色がいつも助けてくれるから大丈夫だもん」
「.....なんでそんなに可愛いこと言うのさぴーちゃん。そんなに可愛いこと言われると今、無性に噛みたくなるじゃんばか~」
「はあああ?なんで、なんでそうなるのよ!!馬鹿!!!意味わかんないよ陽色!!」
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