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そして、どっと疲れて着いたのは「さくらや」というその名の通り、桜の花びらが散りばめられた可愛いらしい暖簾が目を引くお団子屋やさ。遠くからみてもお客さんで賑わっていることが分かるほどに、人気のお店のようだ。
毎回、陽色が連れてきてくれる甘味処は抜群に美味しいところばかりだから、今回も間違いないのだろう。
陽色はニコニコしながら、店先にいた女性にありえなくらいながーいながーい呪文の羅列を述べてるし、女性は女性でそれを笑顔で受け答えてるし、不可解の極みだった。
わたしをゆっくりと座椅子に座らせ、陽色はその隣で足をパタパタさせながらまだかな~まだかな~、と鼻歌を歌いながらご機嫌ご機嫌。
あんたは童か!と思わずつっこみそうになった。
「陽色、食べすぎたらまたお腹壊しちゃうよ」
「大丈夫だよ。今日は加減ちゃんとしたから」
「あんたの加減は怪しいから」
「ぴーちゃん、そんなに眉間に皺寄せてたら、ここに型ついちゃうよ?」
「あんたがさせてるでしょうが!!!」
「ぴーちゃん、怒らない怒らない」
言葉が通じないよこの猫太郎。
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