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「ぴーちゃん、その着物かわいいね。俺のためにおめかししてくれてるの?」
「いや、別に陽色のためじゃないんだけど。あ、後ろの帯さ、この前してくれた結び方してくれないかな?蝶結び!」
「いいけど、イマドキ帯を締められない系女子なんてね。最初のころは驚いたよ」
「うるさいな。普段は袴生活なんだもん。しょうがないじゃん。・・・ていうか、どこに手入れてるのさ」
「いや~ぴーちゃん、背は小さいのにここは豊作だから、ついつい触りたくなるんだよ。相変わらず、胸もお尻も触り心地最高~」
甘え性なうえに、日常的に変態行為を繰り返す。
傍から見れば、ただの破廉恥野郎。
そんなことを考えていれば、首筋がくすぐったくなり、我にかえった。
「ちょ・・・何をしているのかな?」
「ぴーちゃん、いつも砂糖菓子みたいな甘い香りするな~と思ってさ」
この前、治ったばかりの傷跡に生温かい舌が這い、上書きのように何の躊躇いもなく噛みついてきた。これもいつも通り。せっかく治ったというのに。また、傷口抉りにやってきた。血が溢れ出てきた。この行為は彼の言う砂糖菓子のような甘い声とともに突然、降りかかってくる。特に本日のような血みどろになってやってきた日は。
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