1cat: 私の友だち

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戸越しにうっすらとだが、男性の呻き声が聞こえた。 それと、ねっとりとした気配が。 彼と目配せをし、躊躇なく戸を開いた。 「失礼します!」 突如、中の光景に頭が割れそうなほどに痛みが増強した。 依頼主は布団の上で蹲り、その上に人ならざるものが正座していたのだ。髪が長く顔までは見えないが、おそらくその出で立ちからして女。彼女は依頼主の首に白くか細い腕を巻き付けていた。 しかし、その表情は少し苦しげだったように見えた。 その表情がゆっくりと此方を向いた。瞳は今にも泣きだしそうだった。 ”貴方・・・” 「野川様の奥様ですね?」 ”なんで・・・視えるのわたしのこと” 「はい。奥様、野川様からお手をお放しいただけませんか」 ”わたしのこと消すの?わたし、わたしもう耐えらないの” 「奥様、わたしとお話ししませんか?」 ”話?” 「はい、そのためにわたしは本日此方を伺ったんです」
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