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エピソード③ スマホの壁紙
4月X日(日)PM2時過ぎ、東京、N空港から、O空港への直行便のファーストクラスに乗り、小一時間のフライトを楽しんだ。
俺は、浅田連花に、嘆願して、卒業式の後、校門近くの校庭で、一番立派な、桜の木の前で男友達に、冷やかされながら、浅田連花とツーショット写メをスマホに撮ってもらった。この記念すべき奇跡のたった一枚しかない、写メは、機種変更の度に、画像の引き継ぎを欠かず、現在のスマホにも保存し、5年前から俺のスマホの『待受画面』の『壁紙』を務めている。ベテランの写メである。
俺の母校の高校は歴史の長い伝統の県内でも有数の進学校である。その為、制服も超保守的と言うか、オーソドックスと言うか…。男子は『学ラン』女子は『セーラー服』黒いスカーフが大人びた上品な雰囲気を纏う。
俺は好きなセーラー服だ。
今でも。浅田連花は、クラスのマドンナらしく上品なこのセーラー服がむちゃくちゃ似合っていた。学校一番だとさえ思っている。今でも。
『壁紙』の奇跡の浅田連花との、ツーショット写メは、はにかんだ俺と、対照的に清まし顔にちょっぴり微笑む浅田連花が、お互い卒業証書入りの円柱の筒を片手に持ち、左胸には卒業生あるあるの白い生花をつけたままの卒業生versionの俺と浅田連花が、お互い身体を寄せ合い、俺は浅田の許可を貰い、浅田の左肩を引き寄せての写メだった。
「浅田…連花…。あいつ、きっと、大人びた美人になってるだろうな…。高3で、このアイドル並みの美少女だからな。よく芸能事務所からの
スカウトなかったよな。
それに、今流行りのナチュラルメイクだろ…。
22歳の大人な女なら…。
尚更だよな…。」
俺は、O空港までのフライトの間、スマホの浅田とのツーショット写メの『壁紙』を眺めながら、高3、1年間のクラスメートとしての…、そして、浅田への『片想い』の淡く、切なく、甘酸っぱい思い出も思い出していた…。
エピソード④
へ続く。
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