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エピソード① 1枚の往復葉書
俺は、甲斐健太郎。今年の11月で、23歳になる。故郷は、九州のO県B市だ。
都内の某有名大学に在学時に、IT系のベンチャー企業を起業した。いわゆる若き青年実業家となる。
現在、会社取締役社長をしている。社員は、10名。
皆、パソコンに精通した、少数精鋭のエンジニア&オペレーター集団である。
平均年齢は、24.8歳と若手社員が大半を占める企業。業績は右肩上がり。
昨年は、年商10億円を越えた。
都内の六本木ヒルズにオフィスを構えている。愛車は、若手社長らしく、ラテン系の血を感じるイタリアの名門、アルファロメオの新型4ドアのスポーツセダン『アルファロメオ・ジュリア』。ボディーカラーは、23歳・独身らしく派手なイタリアンレッドをチョイスした。
彼女は今も居ない…。作らない…。作れない…。って言うか、高校3年から、5年間『片想い』のずっと大好きな人が居る。
俺は、5年間『片想い』の延長線上をひた走っている。
その人は、俺の高校3年のクラスの『マドンナ』的な女の子だ。名前は『浅田蓮花』。女優の吉岡里帆似の美人。
俺は、そこそこ、浅田とは仲良くしていたが、浅田は、俺はクラスメートの1人くらいにしか思って無いだろう…。
俺は、高校卒業式の後に、浅田に告白すら出来ず、連絡先も交換もせず、高校卒業から、5年間も、浅田蓮花に『片想い』を未だに続けている…。
そんな1月末のある日、俺の都内青山の高級マンションの1Fのエントランスにある自分の部屋のポストに、1枚の往復ハガキが、ポスティングされていた…。
エピソード②
へ続く。
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