第1章

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 3  企業の健全なる再生と、社会貢献できうる立場への復帰ーーーー  郷谷の言葉が、耳をかすめた。 「会議室アラスカだって、あと五分。郷谷さんって、ほやほやーってしているように見えるけど、あれで時間には厳しいんだー」 「あっ、はい」  勤務初日の翌日は、朝からミーティングだった。  少し変わったオフィスの、少し変わった人たちと一緒の部屋にも、響子のデスクは設置されていた。 「っていうか」 「はい?」  ファイルを手に行きかけた深谷が、立ち止まった。  形のいいまゆを寄せて、ミーティングに向かう用意をする響子の周囲を見つめた。 「ものすごい昭和の香りがするんだけど」 「へ」  なんのことか、と思えば深谷の視線の先にあるのは響子が選んだ地味な、本当に地味な事務机だった。  デスク、ではない。  どう考えても事務机と呼ぶのが相応しい。グレーの、冷たそうな地味なものである。  
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