第1章

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 強いて言えばアラスカ、なんて書いてあったらからクマとか風景とか、それらしいものがあるのかと思えば、何もなかった。  ホワイトボード前の郷谷が顔を向ける楕円のテーブルを囲むのは、響子の他には昨日紹介してもらった北条、殿下、尾久、深澄、それからもう一人。  まだ名前は知らないが、三十代くらいだろうか、年上の女性がいた。  ピシリと整ったスーツ姿が、キャリアのある女性らしくてかっこいい。 「定刻ですね、始めましょう。春日和再生プロジェクトのキックオフミーティングです。春日和についてまず、説明しましょう。  ーーーー株式会社レストラン春日和。  関東圏にチェーン展開するレストランで、旬の野菜を多く取り入れたメニューが健康志向ブームに乗って、会社員や家族づれなど年齢を問わず一定の人気を保っています」 「私も食べに行ったことある。親戚のおばちゃんと。とにかくヘルシー系よね、年寄りには人気よ」  深澄が、口を挟んだ。
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