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価値が、意味がない命だ。
ただ生きているだけだ。
こんなの、生きているだけで申し訳ない。
ゴォッ、という音と風が去っていった。
黄色い突起が規則的に並んでいるのが、よく見えた。ここでもう、終わるしかない。遠くから次の音が近づいてくる。どんどん、どんどん音が大きくなる。全てを終えられる音がやってくる。
足が黄色い線を、超えた。
「落としものですね」
男性の声が近くで聞こえて、腕をつかまれていた。
「え、」
振り返ったら、三日月のように細い目の男が笑っていた。
「あなたの命を、拾わせていただきました」
音と風が、背後を通り抜けていった。
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