あの女 2

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ

あの女 2

昨夜は寒いねとか言いながらも娘とふたりであの女について語り合い、眠剤なくて眠れない私は一睡もせずに朝を迎えた。 先ず何よりも重大なのは私の伴侶であって娘のパパである主人がはっきりとした意思表示をしない事だろう。お陰様で娘は元々絹豆腐のようなメンタルにバールがめり込んでしまってぐしゃぐしゃになったと私にカミングアウトしてくれた。 その件に関してパパである主人にLINEで意志を確認してみたが『娘の事は一番に考えているよ。俺の命よりも大切だからね 』と、返ってきたから私の頭のとある部分から、ブチッ、と音がした。 だったら娘がどんな思いであの女との同居生活を送っているのか分からないのかしら?ふざけないでよ。自分はいいパパだとでも思っているの?だったらどうして娘はパパに何も話さずに私にだけ話すのかしらね。 説明して差し上げますわパパに話しても聞いてくれないし何も変わらないからだって言ってたわよ。 あの日、蕎麦屋で私があの女の文句言った時に口走った言葉が悪かったわね。口は災いの元とはよく言ったものよ。冗談でも言ったらダメな言葉ってあるでしょう。だったら俺があの女と一緒に出ていくからそれでいいだろう、そう言ったのよね娘の前で。 その時は咄嗟に止めちゃったけど後から考えたら段々とはらわた煮えくり返って来て、だったら一緒に出てってくれても構わないです。そんな男がパパじゃあ娘が可哀想だわ。だって、そう思うでしょう?それとも私が間違ってるのかしら?
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!