タチの悪い嘘

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「2年もかかっちゃったね.......」 まだ復興の途中の街を見ながら女性は呟いた。 大事そうに抱えている写真立ての中には所々赤いシミで汚れている写真が入っている。 イケメンでもブサイクでも無いがどこか憎めない笑顔の男と、 身長が小さく、可愛らしい顔をした女性が手を繋いで写っている。 「今日はありがとうね?新しい家の事から何から何まで。」 「いえ........それが私の仕事ですから......」 端正な顔立ちに透き通るような声。 女性であれば二度見は必須のような容姿だ。 「けどなんだかんだ時間かかっちゃったなー、成親さん怒ってるかな?」 「どうでしょうか?付き合いは長いですが....... あの人はよく解らない人でした。」 その男は少し困り顔で、 懐かしさと、 寂しさが混じったような顔をする。 「そうそう!あの人何考えてるかわからないで有名だったしね!」 女性が笑いながら答えると男もつられて笑う。 「上司であり年上であり友達でしたが、あの人の本質を見抜けていたのは社長と細川さん、それと磯貝さんだけですよ。」 「確かに!まぁ三人とも大概だけどね!」 「まぁ....、仕方ないですよ.....」
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