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私には腕がない。
左腕の肘から下が無いのだ。
生れつきとかではなく、先の侵略戦で無くした。両親とともに。
私は普通の会社員で何も変わらない日常を送っていた。
けど『あの日』が訪れた。
何がどうなったのか、聴いたことの無い警報が鳴った後、私の日常は崩れ去った。
気づいたら病院で、左の肘から下が無くなっていた。
私は県外の病院に移され、完治するまでの半年間病院で過ごした。
病院での記憶もあまり無い。
ただ過ぎ去るだけの時間だった。
完治した後、私と同じような境遇にいる人たちと共に政府の『仮設住宅』なるものに入った。
ただ心配でならないのは両親の事、何度も自衛隊の人に尋ねた。
自衛隊は無く、国防軍というのに変わっていた。
テレビなんて見ていなかった。
帰ってくる言葉は
「全力で捜索しています。」
テレビを見るようになった。
テレビではこの半年で戦争は膠着状態になり日本内での睨み合いになり国連軍も参入。
並びに新しい法案が次々と可決され、民間軍事会社なるものも誕生したらしい。
それから2ヶ月後、
両親が死んだという知らせが届いた。
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