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ボクは雪うさぎのぴょんた。
病院のお庭で生まれました。
みんなの温もりと笑顔がボクのお母さんです。
ボクは幸せでした。
例え、冬の間の命でも、愛されて生まれたのです。
ボクを生んだ世界が、ボクは大好きでした。
だけど、知ったんです。
ボクを作ってくれたお母さんのひとりである君が、「生きたいよ」って言った意味を。
ボクは言いました。
「ボクは幸せに生まれて、消えてゆく。君になにも出来なくて、ごめんなさい……」
そしたら、君はびっくりして、こう、伝えてくれました。
「弱音を吐けた、それだけで……嬉しかったよ。ありがとう」
ボクは溶けてしまってもいい。
「神様、どうかボクを……」
(ボクの命を使ってください)
空から降りてきた光が、ボクの姿を赤子に変えます。
そして、そんなボクのために君は、必死に戦い、生き続けようとしました。
ボクの傍らには、今も君と、とろけそうに温かい、家族みんながいます。
end
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