不本意な立ち位置

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「一個質問。アレ、完全に断ち消えたんじゃねえの?」  取りあえず、会長の前に置かれた資料を取って、眺めながら思い付いた疑問をぶん投げてみる。  内容は全校生徒の今年度の学力テストの成績と、前年度以前の比較したグラフであった。  確かに成績は下降傾向……と、いえなくもないが…… 「忘れたか、お前等があの話に対して得た判定は【現状保留】だ。必要な時が来たら行う事も検討するという話だったぞ」  忘れたも何も、焚き付けはしたが俺は命令してたわけではない。なので、潰したという結果は知っていても、そもそもどういう経緯を経て決着したかは知らないのだ。  ……後、やたらと俺に噛みつく副会長だが、止めてくれ。俺、お前に興味無いから。 「去年一年、様子を見ていたが。全体的な成績は下降傾向にある。これ以上我が校の偏差値を下げる訳にはいかない」  それはお前の都合であって、巻き込まれるこっちはいい迷惑なんだが。
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