不本意な立ち位置

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「……成績が下降傾向にあるのは、事実よ。でも、生徒の意思を無視して無理矢理やらせるなんていうのは認められない」  会長がそう勇ましく反論する。 (ああ、怖い! 男の子視線が怖いぃぃ……)  ……その心情は言葉とは裏腹に大恐慌状態だったが。 「その甘い姿勢がこの結果を生んだのです、それが解らないのですか?」  すぐさま副会長もクイッと眼鏡のズレを直して反撃、もっともらしい内容だが、その心情はーー  ーー状態:愉悦・歓喜▽  ーーうん、やっぱ俺、コイツ嫌いだ。  自分が優位であることに幸せを感じ、他者を見下すことを楽しむサディスト。誰かの為と口で言いつつ、その実全ては自分の為でしかない。
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