不本意な立ち位置

8/19
前へ
/604ページ
次へ
 ーーだから、俺は会長の味方をする事にした。  ーー副会長に視線を向けた。  ーーその瞬間、様々な情報が俺の脳内に流れ込んできた。 「……自分が志望してた進学校に落ちたからって、その腹いせに俺達を巻き込むのはどーかと思うぞ?」  ーーその瞬間、空気が変わった。  明らかに副会長の機嫌が悪くなった。チートで見なくても、怒っているのは解る。 「それともアレか? 志望校より有名な進学校にして自分の箔を高めたいのか? どっちにしろ自分勝手な奴だな」 「言いがかりは止めてもらおうか? これは正式な手続きに乗っ取った行いだ」  冷静に返してきたが、怒気が隠しきれていない。  副会長は都内一の進学校に受験して失敗している。本人は「調子が悪かった」と周囲に言っているが、俺には通じない。  コイツが落ちたのは定員割れですらない。単純に学力が足りないのに高望みした為だ。確かにこの学校では優秀だが、実際は意識高い系の困ったちゃんでしかない。
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加