不本意な立ち位置

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 バシン、と。  俺の頬がひっ叩かれた。 「言い過ぎよ、黄泉山くん」  ーー俺の真横にいた会長によって。 「彼に変わって謝罪するわ、ごめんなさい」  会長が副会長に頭を下げる。  ーー予想外の事に怒りの矛先を逸らされ、副会長は毒気を抜かれ舌打ちすると、 「……まあいい、どうせ君達が何を言おうとこれは決定事項だ。精々無駄な抵抗でも考えるがいい」  そう吐き捨てて、居心地悪そうに取り巻きと一緒に部屋を出ていった。
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