不本意な立ち位置

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「助けてって呼び出した手前でいうのもなんだけど、貴方のそういう自分を犠牲にした解決法はあまり好きじゃないの。ごめんなさい」  そういって謝罪されてもこっちは困る。が、取りあえず、目下の問題を引き合いに出して誤魔化すことにした。 「いや、別に構わないけどさ。結局どうすんだよ?」  副会長から抜き取った情報から、教師達(評価第一主義)PTA(暇人の集まり)からの許可を得ているようだ。権力が向こうに力を貸している限り、本人を失脚させる以外ではまともな方法では解決法がなさそうである。 「……生徒からの署名を募るとか?」 「そんなんでやめると思ってるか?」  「うぐぐぅっ……」と頭を抱える会長。まあ、そこら辺の事は彼女が一番分かっているだろう。 「ーー一応、手段が無いわけでは無い」  そういうと、会長は「え?」と顔を上げる。  もっとも、その内容は決して誉められた方法ではない。  ーーまともな手段が通じないなら、まともじゃない方法で対抗するだけだ。
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