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まだ人がまばらに残っている放課後の教室で繰り広げられるやり取りに頭を抱えつつ、俺は公に叫んだ。
「いやいやいや、お前俺はいいから彼女と帰ってやれ!!」
主に俺の身が危険だから!
「何いってんだよ、お前との予定を先に入れたんだから、そっちが優先だろ?」
「くっそ、このいい子が!!」
「何その新しい罵倒!?」
俺の意図と空気を欠片も理解してくれずに首を傾げる、端正な顔立ちの優男で前髪で目が隠れそうなイケメンの公を恨めしく思いながら、思考を回転させる。
不味い。このままだと目院ヒロ子が帰ってしまう!!
【爆弾】が爆発しても公が被害を被るだけならまだいい、放っておく! だけどヒロ子の場合、男だろうと女だろうと邪魔者を排除する性格。俺が(物理的に)消されかねない!!
ーーええぃ、こうなったら!!
「あ、そうだ。それなら目院ちゃんも一緒に行かないか!?」
かなりリスキーな手段だが、これなら【爆弾】も解除出来るはず!
「え? いいの? それじゃあ、お言葉に甘えて……」
ショートカットボブを靡かせたヒロ子は、形だけの申し訳なさそうな態度で提案にどういしてきた。
ーーヒロ子の【爆弾】が解除されました▽
ヨッシッ!! 賭けに勝ったッ!!
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