不本意な立ち位置

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「しかし、その副会長という男。無能の癖に良くこんな大がかりな事ができたものだ」 「無能っていうか……本人の意識レベルに能力が足りてないだけで優秀は優秀だぞ」 「自分の身の丈を弁えずに周囲に迷惑をかけるなら、十分無能だろ」  そう切り捨てた市長は、俺の方をじっと見てくる。 「……言っておくが、俺が後釜とか嫌だぞ」 「ふむ、お前は有用だからあの子とくっついてくれれば私としても助かるのだが……」  持ち上げているようで【有能】と言わない辺り、この人も良くわかってらっしゃる。 「自分の娘をダシに使うんじゃない。そういうのはもっと物語の主人公的な奴に言ってくれ」  公とかそこら辺のギャルゲ主人公格にな。俺は精々【妙に情報通なモブA】くらいが関の山だ。
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