未熟な冒険者のコルト

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「……ったく。だったら好きにしな。ただしそのゴミ、何とかしとけよ!」  まだたむろしている冒険者からブーイングを食らった。  貴重なアイテムを受け取ってゴミ呼ばわりとは何事だ、ってな。  お代代わりはいいが、勝手に置いてったんだろうがよ。  どれもこれも、店の商品にはなりゃしない。  どこぞで換金も出来ない代物。  でもこのエルフ女子が何とかするっつんだから何とかしてもらおうじゃないか。  ま、異世界の住人が俺の手伝いをしようがしまいが知ったこっちゃない。  なんせ俺がこの部屋にいない時間の方が長いからな。  その間にも異世界の冒険者とやらは入れ代わり立ち代わり。  握り飯がなくても、ただ座る、横になっているだけで安心して休息が取れる。  気を緩められる場所。  誰もがそんなことを言ってた。 「連中、ふすまが見えなくても俺には見えるんだから、延長コード引っ張ってくりゃ飯炊きはあそこでもできるよな」  もし本気であいつが俺の仕事を手伝ってくれるというなら、握り飯作りを手伝ってくれるだけでも大助かりだ。  店の仕事の方に力を入れる余裕も出るだろうからな。  握り飯を握るのも、一個や二個じゃ大したことはない。  だが流石にここまで多くなると結構な力仕事だ。  祖母ちゃんはほんとにかくしゃくだったんだな。  それに財テクもあったに違いない。  遺産の貯金、何とか引き継げたが、俺はそれを切り崩す一方なんだよな。  親戚の何軒かは農家で、農作物をお裾分けでいただいている。  けど米はそれだけじゃ足りず、買い足している。  米五キロで百個作ることができる。  毎日米十五キロ減らしていってる。  祖母ちゃんよりも効率のいい財テクを身につけないと、俺の体も心も長く持たない。  ※※※※※ ※※※※※ ※※※※※
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