465人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、あの子……シュースちゃん、私が見た通り、冒険者になって間もなくしてここに来ることになったんだそうです」
「へー」
お前だって経験浅いのに、よくそんな上から目線で他人を見れるもんだ。
見ることができるようなった、ってことなのか?
まぁどうでもいいか。
いや、ちょっと待て。
そんな新人冒険者が「コルト様をお守りします」って言ってたよな。
それは覚えている。
おかしくないか?
「お会いできてうれしいです」とか
「助けてくれてありがとうございます」とか
……あとは、そうだな。
「弟子にしてください」とかか。
ということは……何かしらの共通点があったってことだ。
生まれ故郷は同じじゃないのは覚えてる。
コルトは自分で言っていた。自給自足の生活をしていたエルフの村の出身だと。
同じ世界、国から来たが面識はない。
同じ未熟な冒険者だが、他にも共通点はある。
畏敬の念はあるけれど、それ以上に、自分ならコルトを助けられる、と……確信? している。
そうだ。
まだ共通点があった。
それは、この部屋に来ることが……。
「……おい。まさか」
ある結論に達した俺はコルトを見た。
コルトは悲しそうな顔をしていた。
当てたくなかった。
だが、おそらく俺の予想は……多分ビンゴだ。
最初のコメントを投稿しよう!