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昔それはそれは、やんちゃな小僧がいたそうな。山寺の和尚さんは小僧のやんちゃさにはほとほと手を焼いた。庭の掃き掃除を小僧にやっておくよう言っておいたらウサギやタヌキなどを追いかけまわして和尚がせっかく集めた木の葉をまた散らかしたり、お供え物をかってに食ってしまったりとそれはもうやりたい放題だった。
ある日、山はもう秋の気配を多々酔わせていた。向かいの山にはおいしそうな栗がいっぱい。となれば小僧が栗拾いをしたいというのももはや必然である。しかし、栗が取れる向かいの山には恐ろしい山姥が住んでいる。和尚は何度も小僧に行って聞かすが小僧は栗拾いをしたいと聞かない。すると和尚は
「そんなに行きたいというなら、山姥に会って怖い思いをすればいいじゃろ!性根を叩きなおしてもらえ!」
と言って、小僧が向かいの山に行くことを許した。
いざ小僧が山に行くとなったときに和尚は小僧に何やら三枚のお札を渡した。
「これがお前さんを守ってくれるじゃろ!」
和尚はありがたいお札じゃと言って小僧に渡すが小僧は「こんなお札効くかい」と馬鹿にしていた。
こうして三枚のお札を懐に入れて元気よく向かいの山に向かって言った小僧。向かいの山には栗がいっぱいあった。小僧は日が沈むのも忘れて栗をたくさん拾った。
あたりが暗くなり、小僧が寺に帰ろうとしたときおばあさんに会った。おばあさんは小僧に「栗を焼いてやるでに家さこい」と言ってくれた。小僧は誘われるまま家にお邪魔して焼いてもらった栗を腹いっぱい食ってそのまま寝てしまった。
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