くっつくも…はなれるも。

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くっつくも…はなれるも。

一度も会った事の無い弟妹、 俗に言う腹違いの異母兄弟 親の都合とはこの事で、 同じ血流れ離れて暮らし。 詳しい事はわからない、 あまり聞きたくも無い どこの誰かも知りたく無い、 でもこの世で同じ血が通う人。 幼少期に存在は聞かされた、 大人になっても意識はしない 親の昔話に触れる時、 どうしても避けられない人。 実母は辛かったろうと思う、 実父は今では行方不明 益々血が繋がった人の事を、 もうどうでも良くなる話の人。 人混みやらコンビニやら、 それに似た二人を見ると 何気に遠くの異母兄弟を、 懐かしむも困惑する時に。 親には単純な事だった、 わたしにとっては複雑過ぎて それより転居と転校の日々、 考える訳も頭も無いままに。 人には見えない何かで結ばれ、 考えなくても一緒に過ごす そんな事繰り返し生きてきた、 会えずに居る今考えて。 なん十年もそのままで、 会いたく無いが会えても居ない 必然では無い仲なのだろう、 偶然すらも訪れないから。 多分同じ血縁の仲で、 同じ極の磁石で居る 寄せ付けないしくっ付かない、 それならそれで過ごせば良い。 違う極になろうとも、 必然の時が訪れようと 腰の座った年齢越えて、 それまでその時笑ってやろう。 そんな思いの歳の中、 往き来する道の途中 稀に寄るコンビニへ、 早朝お客はわたしだけ。 同級生の様な知人の様な、 顔見知りでも無い初対面 でも首傾げ記憶の棚から、 探しだそうと精算済ませ。 顔はあまり見ず、 釣り銭貰い徐ろに ネームプレート見てみれば、 昔捨てた実父の姓が在る。 ただの偶然いたずらと、 また来れば確認できると その場を後に店を出る、 その後数週間の時が経つ。 あれからあの顔捨てた姓、 二度と観る事無く過ごす…
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