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1.「覚醒」
目を覚ますと、見知らぬ天井が広がって…
…いる、というか、天井と壁の境目が見つからない。
だが、壁は結構そばにある気がする。
部屋として狭い…もしくは、どこか部屋のすみに居るのだろうか。
何、と言うべきか……。とても濃い霧の中にぽっかりと出来た、何もない空間に寝かされているような、
…寝かされているという事は、床もあるな。この背の下に。
もう少し情報を得ようと首を左側に向けてみるが、頭と床が擦れる感触がない。ないんだが、視界は動いた気がするし、首には左を向いているという感覚もある。
頭の下に床がないのか…? 頭が浮いている?
いや、首が疲れる気配はない…
…何だこのあやふやな情報は。矛盾してるな…
もっと情報を得るには…?
そうだ、上体を起こしてみるか。
『よっ、こら…』
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