3人が本棚に入れています
本棚に追加
特段、何の違和感もなく起き上がった。
…なるほど、確かに床のようなものはあるが…床自体、実体があるような無いような…? 自分が浮遊しているような不安定さはないが、どこかに確実に座っているという実感もない。
…何なんだコレは…!!
起き上がってみたは良いものの何か見える訳でもなく、辺り1周見回したところで白い空間が広がるばかり。
というかもう、視界が白すぎて目がチカチカしてきた…
「おそよーございますです」
『っふぁい!?』
急に背後から声を掛けられ、奇声が出てしまった。
「リアルで『ふぁい!?』て言うヒト初めて見た…ww」
クックッと肩を震わせて笑っているのは、真っ白な服を着た、子ど、も…?
いや、声は幼めだが… あぁ、しゃがんでいたのか。
真っ白い(どう見てもサイズの合っていない)シーツのような服を引きずって立ち上がったのは、黄金色の長髪を持つ男だった。
古代ローマかどっかの人か?
『えっと…誠に失礼ながら、どちら様でしょうか?』
「あ、どうも初めまして。よろしく。」
『あ、どうも…』
…?? 会話に違和感。
『あの、ワタクシ…、ん?』
ワタクシ? いや、僕? んん?
『わっち?…小生?吾輩?』
一人称が迷子になった。
最初のコメントを投稿しよう!