1.「覚醒」

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 特段、何の違和感もなく起き上がった。 …なるほど、確かに床のようなものはあるが…床自体、実体があるような無いような…? 自分が浮遊しているような不安定さはないが、どこかに確実に座っているという実感もない。 …何なんだコレは…!! 起き上がってみたは良いものの何か見える訳でもなく、辺り1周見回したところで白い空間が広がるばかり。 というかもう、視界が白すぎて目がチカチカしてきた… 「おそよーございますです」 『っふぁい!?』 急に背後から声を掛けられ、奇声が出てしまった。 「リアルで『ふぁい!?』て言うヒト初めて見た…ww」  クックッと肩を震わせて笑っているのは、真っ白な服を着た、子ど、も…? いや、声は幼めだが… あぁ、しゃがんでいたのか。 真っ白い(どう見てもサイズの合っていない)シーツのような服を引きずって立ち上がったのは、黄金色の長髪を持つ男だった。 古代ローマかどっかの人か? 『えっと…誠に失礼ながら、どちら様でしょうか?』 「あ、どうも初めまして。よろしく。」 『あ、どうも…』 …?? 会話に違和感。 『あの、ワタクシ…、ん?』 ワタクシ? いや、僕? んん? 『わっち?…小生?吾輩?』 一人称が迷子になった。
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