3人が本棚に入れています
本棚に追加
『ミー? 我? 自分? …オレ様??』
「wwwwwwwwwwwww」
ひとが悩んでいるというのに、なぜ彼は笑い転げているのだろうか。
…そんな事より、一人称が決まらないのでは話が進めにくい。早々に決めねば…
やはり“ワタクシ”辺りが近い気がするのだが…
『ワタクシ…共?』
否、これは違う。
『ワタ…私? 私! …私は、何故こちらに?』
「www、へ?w あぁ、アナタね。」
彼は、未だに乱れの残る呼吸をコホンと正し、
「アナタ。ここに来てから、かれこれ…3時間ほど寝てらしたんですよ。
随分とお疲れのようでしたので、とりあえずそのまま…」
なんと、3時間も…! どれほど警戒心の無い奴だと思われただろう…
『それはそれは、申し訳ありません。』
「で、先程アナタが覚醒されまして。しばらくの間、観察を。」
『観、察…?』
「えぇ、アナタの目が開いてから、首を動かし、顔をしかめ、『よっこらせ』なんてオジン臭いかけ声と共に起き上がり、目をしばたたかせている…
と錯覚している間、ずっと観察させて頂いてました。」
『はあ… なるほど…』
何を言っているのか、半分も理解できなかった。
『3時間も寝ていたんですか…』
「…ぇ、えぇ、ですから“おそようございます”と…」
『なるほど。』
面白い言い回しだな。機会があれば使ってみよう。
最初のコメントを投稿しよう!