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「…えっと、他に質問は?」
『え? あぁ、まぁ、特には…。
何故自分がこのような状況に置かれているのか、くらいで…』
「出ましたね!!」
何が?
「知りたいですよね!? 何故アナタがここに居るのか!」
『…知りたいかと問われれば知りたいと答えますが…、
貴方がその答えをご存知か私は存じ上げませんので、ご存知ない事を聞いてしまうのは申し訳ないと思いまして。』
「…えと、はい?」
『はい。』
むしろ、彼が何を知っているのか全く分からないから、質問のしようがない。
「…ぇっ、え…
…あぁ、ダメだこのヒト、オレより変人だ…」
何やら心外な事を呟かれたが。
「先輩! 先ぱーい!! オレこのヒトだめっスわー!
オレの負けで良いっスよー!」
いきなりヤケクソのように叫びだした、白い人。
何やら斜め上あたりに向かって「ねえ先ぱーい!? 見てますよねー!!」などと360度方向に叫び掛けているが…
端から見れば、ただのアブナイ人だ。
「ハハ。珍しいなぁ、お前が負けを認めるなんて。初めてじゃないか?」
…なんか白い人増えた。…いつからそこに居たんだ?
まるでプロジェクターか何かで投影されたように、一瞬で“その場にいた”白い人(その2)。先輩と呼ばれていたということは、この2人は上司と部下の関係だろうか。
“先輩”も同じくズルズルのシーツスタイルだが、黒い短髪だ。
不可思議な“先輩”に、愚痴をこぼしだす“後輩”。
「だってこのヒト、ツッコミ入れてくれないんスもん! “錯覚”にすら!」
「そうだな、このパターンはレアもんだなー。」
「最初は面白い反応してくれてたんスけど…」
「おぅ知ってる。見てたからな。」
「何か、オレのペースが乱されてきて…」
「ヒトのペース乱すのがキミのお仕事なのにな。」
何の話やらさっぱりだが、先輩も負けず劣らずな変人らしいという事だけは、なんとなく察した。
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