異物が入った宝箱

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異物が入った宝箱

 彼は華蛹 秋春(かさなぎ あきは)という高校生だ。可愛い幼馴染の萩 小夜子(はぎ さよこ)など女子のは腐るほど寄ってくるイケメンなのだ。 小さい頃は本当に純粋だったのに今ではそんな物の欠片すらない。バレンタインはたくさんのチョコを貰って、幼馴染からハンバーグを家に呼んでもらって作ってもらっているとのことだ。  男子たちが羨んでいることはそれだけではない。秋春は手作りチョコを貰ったら学校の敷地内にある焼却炉で処分を行っているとのことだ。幼馴染の手料理は食べるくせにと不満を漏らされることなど日常茶飯事過ぎて相手にされない。  小夜子や他の女子も見向きされないほど秋春は興味がないとのことだった。なら何か趣味がないのか聞いてみたところ「綺麗な石や宝石を眺めたり、集めたりすること」らしい。  聞いた男子は拍子抜けしてしまいそうになってしまった。女に興味がないのにそこら辺に転がっている石ころにが好きだなんてどうかしてる。そう誰しもが思ったからだ。  それは突然に起こった。秋春の誕生日の日に小夜子から教室に残ってほしいとのことだ。待ってみると小さな箱をプレゼントとしてもらった。毎年貰ってはいるが今年はやけに小さく指輪などの小箱よりもう少し大きい両手にギリギリ乗るサイズのオルゴールといった感じだ。  小夜子はいつも秋春の欲しいものが的確にわかってプレゼントを用意してくれるためとても心が踊った。本人のいる目の前で蓋を開けるとそこには人間の指が五本並んでいる。親指、人差し指、中指、薬指、小指が全て揃っている状態で並んでいるため一層気味の悪い。  秋春は何故こんな贈り物を彼女が送ってくれたのか直接聞いた。
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