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「どうしよう・・・」
2匹の妖狐は途方に暮れていた。
「もう、わしらには割れた風船が山のようにしかないぜ?
全部売り物にはならないぜ?!」
「何でコンナことになるの?!」
「左コンが風船膨らますのがヘタだからでしょ?」
「なによっ!!風船売りをしようと言ってきたのは右コンでしょ?
あたいは、『わたがし』にして!って
言ったのに!!」
「いいわよ!いいわよ!いいわよ!いいわよ!」
がさがさがさがさがさがさがさがさがさがさがさ!!
「左コン!何割れた風船の山を漁って!!」
「あったわ!!」
左コンが割れた風船の山から見付けたのは、まだ膨らませてない萎んだ風船だった。
「やっぱりね。変な風に膨らんで、慌てて一緒に捨てちゃったのが幾つかあったのよ。」
妖狐の左コンは息を吸い込むと、萎んだ風船を口で膨らませた。
ぷぅ~~~~~~!!
パァン!!
「ぎゃん!!」
左コンは仰天して悲鳴をあげた。
「もう1個!!」
ぷぅ~~~~~~~!!
パァン!!
「ぎゃいん!!もう一度!!」
ぷぅ~~~~~!!
パァン!!
「ぎゃん!!何で?何で?あたいが風船を膨らますと何で割れちゃうの?!
もう、マトモな風船はこれ一個しかないわ!!」
「左コン!!もうよせ!!」
「やだ!!私ちゃんと風船を・・・」
「だからもうやめろっ!!」
「やめるって・・・あたいが信用無いから?!」
「信用無いって事は・・・」
「だから・・・今さっきから左コンが膨らませた風船を観て解ったんだけど・・・!!
左コンが膨らませた風船は、一部だけ膨らんで直ぐにパンクしたんだよ?!
ゴムが最初から劣化してて・・・」
「だから!!右コン!!私がちゃんと!!」
「だから!!左コンが悪いんじゃなくて!!」
ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!
右コンと左コンは、遂に兄妹喧嘩を始めた。
ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!ぎゃん!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!かっ!!
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