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現在――。
「これが、俺が覚えている去年の夏の出来事だけど……」
このエピソード以外、他は特に見知らぬ他人と遭遇した記憶が全く思い付かなかった。
あの日、あの場所で助けた男が、到底目の前のイケメンだとは思えなかった。
しかし、目の前の男は何故だかサングラス越しでも分かる程の嬉しそうな顔をして見つめていた。
「え……?」
予想外の男の反応に、驚きを隠せなかった。
「やっぱり……やっぱり颯斗だったんだよな。あの時の男は……それ、俺……だ」
突然の告白に、更に驚愕の表情を見せる。
そして、今度は龍ヶ崎がゆっくりと喋り始めたのだった――。
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