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「パソコンで見ればすぐ縮尺を変えられる」
そのとき沖野口の携帯が鳴った。
「伊久見先生だ。はい、もしもし」
電話の向こうで、燎はやや興奮している。
「もしかしたら、折田伊那子が現れたかもしれません」
「それはどういうことですか?」
「岸谷セシカと名乗って、風貌も変化していますが、そんな気がします。でも確信がもてなくて」
「分かりました。実際に折田伊那子を見ている伊久見先生がそうおっしゃるなら、確認した方がいいですね。すぐそちらに伺います」
沖野口と篠原は詳しい話を聞くために、病院へ向かった。
燎に会うと、沖野口は折田伊那子の特徴を伝えた。
「折田伊那子かどうかは、ひざ裏にあるケロイドで分かります」
「岸谷セシカはいつも厚いタイツをはいています。だからケロイドがあるかどうか、分かりません」
「もしかして、それはケロイドを隠すためじゃないですかね?」
沖野口はそれにより逆に同一人物の可能性が高まったと考えた。
「ケロイドを確認できれば、同一人物の疑いありとして警察に任意同行を求められる」
「どうやってそのケロイドを確認しましょうか」
「なんとかタイツを脱がせられませんか?」
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