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「何かないですかね」
三人で真剣に考えた。
「よーし! 篠原! お前がやれ! タイツを脱がせるなんて簡単なんだよな!」
沖野口の無茶ぶりに篠原は困惑し、すかさず言い返した。
「仕事でも嫌ですよ! 僕にはジュリた…、彼女がいるんですから! 先輩がやればいいじゃないですか! 独身で彼女なしの先輩が!」
「そんな下らないこと、俺様ができるか!」
このいつも自信満々な、俺様に出来ないことはないと豪語している鼻もちならない先輩が、実は女が苦手とか!?
「ハッ! 先輩、そんなことを言って、もしかして…、女が苦手…」
「良い手を思いついた!」
沖野口が大声を出したので、篠原の言葉はかき消された。
「温泉だ! 伊久見先生、その女を温泉に誘って下さい」
「温泉…、ですか?」
「はい。温泉なら裸になります。勿論二人きりではなく、誰かと複数でいけば相手の警戒も薄れるでしょう。恋人から誤解を受ける心配もないですし」
「でも折田伊那子は食人鬼です。人を殺すことに何のためらいも見せない。友人と一緒の行動は気が進みません。もしものことがあったら…」
燎はずっと一緒にいる状況では、何が起こるか分からないと懸念した。
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