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「陛下、勅命果たしました。反動が来たので寝ます故、後は清明に……」
満仲は鬼の首を持ったまま前のめりに倒れこむ……しかし、器用な事に鬼の首だけは地に付けないように掲げ上げたまま。
「まんじゅう殿、素晴らしい見世物だったよ……さあ、まつろわぬ民の末裔よ、安らかに迷わずに向こう側に行く時だ」
朱雀天皇はふわりと降り、満仲の持つ鬼の首に触れる。
触れた鬼の首は安らかな人の顔へと変わり灰とはならず、光の粒子となり天へと登っていく。
「陛下、京の安全は満仲殿の奮起により護られましたが……東の乱の平定へはどなたが向かわれたのですか」
「ふふ、誰だと思う」
「どなたですか、皆目見当つきません」
いたずらっ子のように笑いながら晴明に答えを出す。
「"とうた"」
夜は深まる、源満仲はいびきをかきながら眠りにつく。
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