起こり

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 命を狙われてるというのに最後まで笑みを崩さずに説明をし、摂政を残したまま一陣の風のように間を去っていく。  摂政とまんじゅうと呼ばれた男はお互いに顔を見つめ同時に嘆息(たんそく)する。 「陛下は相も変わらずのご様子……元気なのは実によろしいことで。愛いものですな」 「ふむ、春風のように穏やかと思えば飄風(ひょうふう)となる。愛いものよ」  笑い声が漏れたところに、(ふすま)からひょっこりと満面の笑みが出てくる。 「まんじゅう殿、あとな陰陽寮(おんみょうりょう)に余と歳はあまり変わらないがな……天才がきての、これが面白い者ゆえ明日にでも会ってみよ。色々と便利な物を作っておるみたいで"仕事"の手助けになるだろう」  手をふりふりとしながら陛下と呼ばれた(わらべ)は去っていく。まんじゅうは去り際の言葉に対して頭を抱える。
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