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彼女が出来たという話が流れたおかげで告白してくる女も少なくなったし、まぁそれでも言うだけ言わせて欲しいと告白してくる迷惑な奴もいたから今年のバレンタインデーも多いんだろうなと予想した通りに下駄箱や机からはみ出すくらい赤やピンクのラッピングされた箱や袋が入っていたわけで。
同級生にはいつも通りだなと笑われ揶揄われ、そのうちの何割かには恨まれてもいるのだろうが、校内に知らぬ者は居ない程に人気者の俺を相手取って妬もうものならデメリットの方が多いとさすがの馬鹿でも猿知恵が働くようで、更には裏表の無い爽やか青年ぶりに毒気を抜かれてしまえば人気があるのも仕方ないと理解してもらえるのでこれまで嫌がらせなんていうものは数えるほどしか受けたことがない。
第一志望の大学入試を終えたばかりで、結果はまだ出ていないがセンター試験の段階でこれといった問題は無かったので特に心配はしていないし、面接も滞りなく、いつも通りの【知的で爽やかなスポーツ青年】の印象を面接官に植え付けられた。
大学生活が始まれば一人暮らしも同時に始まるが、自炊せずとも外出すれば食べるものはどこにでもあるし洗濯は溜めなければ問題ない。親からの仕送りが無くとも生活出来るように先輩のツテで割のいいバイト先の目星もつけてあるし、何も気に病む事はない。
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