溶けるまで待つ

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溶けるまで待つ

飲んでいたオレンジジュースがなくなった。 少しオレンジ色になった氷を睨む。 3つ積み上がった氷は夕日に照らされてキラキラしている。 氷が溶けるまであの女を待ってやろう。 それまでダチと話でもしとくか。 他愛のない会話で暇な時間を潰す。 俺らはみんな孤独だ。ここは孤独な仲間が集められた部屋だ。 氷が溶けてきた。 ストローをくるっと回す。カランカラン。まだ待てる。 そうだ、さくらちゃんがオススメしてた本でも読んどくか。 俺には少々簡単で挿絵が多すぎると思うがさくらちゃんに紹介されたんじゃあ読むしかない。 時計をちらっとみる。だが氷の方が経った時間がわかりやすい。 グラスに見せかけたプラスチックのコップ。俺はこんなのに騙されない。 俺にはグラスの方がお似合いだ。 コップの底に水がたまる。 まだ来ねーのかよ。まあいい。まだ氷は溶けきっていない。 氷が溶けてできた水を飲む。ズズズーっとストローの音が部屋に響く。 みんなの口数がだんだん減って来た。俺はまだまだ負けねえ。 となりに座るダチに話しかける。 「なあ、おい。最近あのアニメに新しいキャラクターでたよな。かっこよくね?」 「俺そいつのグッズもう手に入れたぜ。今度うちに見にこいよ。」 おい、うらやましいな。今度見に行くか。
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