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夕暮れ時、私はいつものように窓の外を眺める。
綺麗な夕日が地平線の彼方へ沈んでいく。
疲れた様子で歩くサラリーマンや
傘でチャンバラをしている男の子たち、
スーパーの袋をカゴにつめて自転車を漕ぐ主婦、
こんな風景を見ると一日の終わりを感じる。
―――ガタンゴトンガタンゴトン
彼が帰ってくる音だ、と嬉しくなった。
私は今日も空を眺めながら彼を待つ。
空の模様はとどまることなく変わり続ける。
毎日空を見上げるが、1度として同じ空を見たことがない。とても大きな空。
日が沈みおわり真っ暗になる頃、ガチャガチャとドアが開く音がした。
「ただいま~」
愛しい人の声だ!
急いで玄関に行き、彼に飛びつく。
彼は困ったように笑いながら、
ちょっと待ってくれよと頭を撫でてくれる。
彼は疲れた様子でスーツを脱ぎ、部屋着に着替えた後に私を呼んで膝に乗せてくれた。
彼はテレビをつける。
頭を撫でるペースが遅くなり、ついには止まってしまった。
振り向くと、無防備な姿で寝ている彼が見受けられる。
私は呆れながらも、いつものように彼を起こし
バスルームへ誘う。
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