変化

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私は横になり、外を見ながら日向ぼっこをする。 お日様がポカポカと気持ちがいい。 身震いがして目が覚めた。 いつの間にか うたた寝していたようだ。 気づけば外の天気は朝とは一転、ぽつぽつと雨が降り始めていた。窓に雫が飛んでくるのを目で追い、思わず手が伸びる。 そのうち雲はどんどん分厚くなり、雨は激しく降りはじめた。雷も鳴り始め、家の中が光で照らされる。 私は窓から離れて、ソファーに丸まった。 彼が帰ってくるまで後どれくらいだろうか。 一抹の不安を感じながら彼の帰りを待つ。 恐る恐る窓際に近づき、外を見てみても いつものような活気はなく人通りは少ない。 ――ガタンゴトンガタンゴトン 外はとっくに暗くなっている。 この音を聞くたびに そろそろ彼が帰ってくる、 と安堵を覚えたのは何度目だろうか。 そろそろかなと思い、何度か玄関の方に近づき耳を済ませてみたが、いつまで経ったっても彼の足音は聞こえてこない。 どれくらい経ったのだろうか。 次第に雨の音はポツポツと弱まり、ついには ポタっポタっと屋根から雫が落ちる音だけになった。 一定の間隔で聞こえていた電車の音は、もう聞こえない。 私は不安と寂しさと空腹が入り交じり、 胸が空っぽになるような感覚におそわれた。
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