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ゆっくりと離れていく会長の顔。その頬はほんのり赤く染まっているのは見えたが、何をされたのかを理解することができなかった。
「キミが逃げたりしたら、作っても無意味になってしまうからね。これで許しておくれ」
思考は完全にショートしていた。許しておくれって、チョコをくれると思っていたのに、この人気軽に何をしてくれた? えっ、なんでそんなことしてくれたの?
色々なことが頭の中で溢れる中、彷徨わせていた瞳が保健室の入り口にいた人物を捉えた。
「あっ、さーちゃん。来てくれたの?」
「怪我をしてるって聞いたからわざわざ来てやったのに……。保健室でいかがわしいこととかお約束かよ! 死ね! 不潔! 童貞!」
力一杯叫んで保健室を出て行く彩江。こんなことになるなんて、会長が全て仕組んでいたとしか思えない。
「どうしてくれるんですか。すごい誤解をされちゃったじゃないですか。というか、そ、そういうことを気軽にするもんじゃないですよ!」
「馬鹿だなキミは。気軽にこんなこと、するわけないだろう。キミだからしたのだ」
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