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綺麗過ぎて寒気のする笑顔。俺は、それをなるべく直視しないようにしながら口を開いた。
「おはようございます。朝から放送で呼び出すなんて、気分が悪いんですけど」
「こんな眉目秀麗な生徒会長に個人的に呼び出されて、そういうことを言うのはキミだけだよ。お姉さん、傷ついちゃうなぁ」
「心にも思っていないことを。今回の用件はなんですか?」
「全く。私とキミはもう運命共同体みたいなものだよ? その上私はこんなにキミのことが好きなのに、冷たすぎやしないかい?」
「冗談にしては、面白くないですね」
「昔のキミは、もう少し素直で可愛げがあったのに。今回のお願いなんだけど、一年生の姫鳴花。知っているよね?」
その名前には、聞き覚えがあった。数か月前に行われた文化祭でのミスコンにて優勝した子だった筈だ。言葉に首肯すると、会長は続けた。
「その子が明日、ある人に告白をしたいそうなのだ。だから、屋上までのエスコートを頼みたい」
「エスコート? 屋上までの道がわからないとか、そういう話ではないですよね?」
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