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だが…水面に映る自分の姿を見た途端、頭の中にイメージが浮かんだ。
血の様に赤く染まった満月の夜。
池の中に『何か』を次々と放り込む、医者や看護婦達の様子。
全員無表情で、感情が感じ取られない。
池に入れられた『何か』は池の中に落ち、次々と沈み込んでいく。
「はっ…!」
わたしは慌てて手を離し、池から遠ざかった。
何だ今のイメージ…?
イメージの中に出てきた医者や看護婦達には見覚えがあった。
しかし誰もが笑顔だった。
なのに今のイメージでは、恐ろしいほどの無表情。
何…何なんだ?
満月…。
確かわたしが最初に見たのも、満月だった気がする。
そして1人の青年が、何かを言っていた。
その言葉は…ダメだ。思い出せない。
今日はもう部屋に戻ろう。
そして、夜が来たらまた来よう。
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