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「そんなの、わかんないっ。
好きなのに我慢するとか。
我慢してほしくない」
「あー……」
転ばないようにそっと背中に手を回し、どんどん彼が部屋の奥へと私を押し込んでいく。
気がついたときには背中がベッドについていた。
「俺がいままで、どれだけ我慢していたか知らないで。
焚きつけたのはお前だからな。
後悔しても俺は知らん」
シュルッ、ネクタイを緩めた彼は――捕食者の目をしていた。
「……んーっ」
目を開けたら、彼の顔が飛び込んできた。
「おはよ」
「……おはよう」
彼がベッドを出ていくのを、ぼーっと見送る。
まだ眠くてあたまがはっきりしない。
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