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「でも最近セレは色々な表情を見せてくれるわ。」
ルスルスでは、今までセレが他人に決して見せなかった素顔を出した。
…恥ずかしい事がバレた時にほおを赤らめたり…
…大好きな物に出逢った時に萌え顔になったり…
…のびるまで温泉に浸かったり…
そして、今ナーガに腹を立てている姿も初めてだ。
「感情を隠さなくても大丈夫って思ってくれたって事だよね。」
ルルグも言った。
「うん…。何だか嬉しいわ。」
「うん。」
うなずき合う2人の前で、ナーガは額に汗を浮かべながら必死にセレに言い訳をしていた。
「…人気の作家が書いているので、どんな本なのか興味を持っただけですって…本当にそれだけです。」
「だったら同じ作家の違う本を選ぶだろ!主人の選び方を間違えたと思っているから、そんな本を読むのだろう?!」
「いえっ!決してそんな事はありません…」
ピアリとルルグは
…『温泉を持ち歩ける魔法』でも編み出せばセレの機嫌が直るんじゃないかな…
と、ささやき合った。
…旅の仲間と共に、セレの「宝物」はまた増えたようだ…
ー 風と狐と月桂樹 ー 完
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